利益にならない一部の我儘な客を切る勇気が、ほとんどのお客さんとお店の利益につながるのだ

突然ですが、私は松屋のカレーが大好きで、松屋に行くと牛丼ではなくカレーを食べます。牛丼は吉野家でしか食べません。

先日も仕事終わりに、チーズトマトカレーを松屋で購入してから帰ったのですが、そこで事件は起こりました。

私、カレーに入っている福神漬が大変嫌いなのです。福神漬自体ではなく、福神漬の汁がご飯に染みて甘くなってしまうのが耐えられません。

そこで松屋でカレーをお持ち帰りする時は、必ず福神漬けを入れないようにお願いします。空いているときは間違いなく福神漬けを抜いてもらえるのですが、混んでいると8割方は福神漬け抜きを忘れられます。

先日も早速食べようとオープンすると、悲劇が起こりました。ご飯に隅に見える茶色い物体は?福神漬やないかぁぁぁ!
またしてもやられました。店が混んでたからなぁ・・・

しかし、松屋の福神漬は汁がビショビショではなかったのが幸いして、ご飯にあまり浸透していなかったので助かりました。これでご飯に浸透していたら台無しでした。

かんべんしてくれよーという感じですが、通常ではない注文をお願いしているので文句を言えた立場ではありません。一般的に見れば私のほうがワガママな客なわけですから。

一般的な感覚では我儘な客とまでは言えないのかもしれませんが、お店側からすれば間違いなく我侭な客です。私は商売をやっている側でもあるので、これはよく分かります。

今日は、お店はどこまでお客さんの細かい我侭を聞くべきなのか、あるいはコストばかりかかる客は切り捨てるべきなのかを考えたいと思います。

大手企業ならある程度は客のワガママを聞く人員的余裕が有るのかもしれませんが、個人経営のネットショップなどにとっては死活問題です。

お客の側からすれば些細な要求でもお店にとっては大きな負担なのだ

福神漬けを抜くくらい大したことがないお願いのように感じるかもしれませんが、マニュアルに沿って効率的に流れ作業でオペレーションを行っている時に、通常ではないオーダーが入ると途端にリズムを崩してしまいます。

私も飲食店でのアルバイトの経験がありますが、かなりギリギリの状態で作業をこなしている時に、特殊なオーダーをお願いされると途端にリズムを崩して他のオーダーまでめちゃくちゃになってしまうことがあります。

1人からの特殊オーダーならまだ何とかなりますが、あっちからもこっちからも特殊オーダーが入るとパニック状態になります。

多くの人員を配置して、細かいオーダーに備える体制が整っているお店でしたら、この程度の些細な我侭は聞いてしかるべきでしょう。例えば、高級ホテルのレストランで2500円のカレーを食べた時に、福神漬け抜きのオーダーが無視されたら文句を言ってもバチは当たりません。

しかし、300円程度の松屋のカレーで、ここまでの細かいオーダーに応える義務はお店にはないでしょう。細かいわがままを聞いてもらうためにはそれなりの対価を支払う必要があります。

松屋は安く食べるためのお店であり、本来細かいオーダーをお願いできるお店ではありません。流れ作業でマニュアル通り作られたものであるからこそ300円でカレーが食べられるのですから。

ましてや牛丼チェーンは過酷な労働環境がネットでも話題になっており、この日も次から次へと店員さんがセコセコ働いていました。そんな時に通常とは少し違うオーダーをお願いした私のほうが無理をお願いしたわけで、福神漬が入っていても文句など言える立場ではないのです。

私はネットショップを経営していますが、稀に通常の流れとは異なる要求をしてくる方がいます。色々ありますが、例えば直接商品を見たいから伺いたいなどという話は典型的な特殊なお願いです。

一般の小売店から考えれば当たり前のことで大した要求ではないように感じるかもしれませんが、ネットショプは店舗を持たないわけで、当然接客要員もいないわけです。

こうした状態で直接来られると、予め倉庫の中を丁寧に掃除にしておく必要がありますし、1時間2時間の接客が必要になり人件費も発生します。

ネットショップの価格というのは接客の人員に係るコストなどが発生しないために安くなっているわけですから、接客が発生すれば本来その値段で販売できないわけです。

サービスのつもりで直接来られることを了承してしまえば、大幅なコスト増で下手をすれば赤字注文になってしまう恐れがあります。

私も以前は少しでもサービスしようと、あるいは少しでも多く注文がほしいと、こういった要求や、もっと手間のかかるお願いにも全て応えていましたが、現在では通常の流れから外れる要求や注文は全てお断りしています。

どうしてもやろうと思えば出来なくはない要求ですが、これを全て聞き入れていると膨大なコストが掛かり、とても今の値段で販売することができなくなります。次から次へと流れ作業で、少ない人数で膨大な注文数をこなしているからこそ、ネットショップは安い値段で販売することができるのです。

莫大な注文数をマニュアルに沿って流れ作業でさばいている時に、一つでも特殊な要求を受けるととたんにペースを乱し、連鎖的な手違いを生むきっかけにもなります。

お客さまにとっては、その注文が1分の1で全てであり、なんでこんな些細なお願いも聞いてもらえないのだろうかとお感じになるでしょう。しかし、お店にとっては数万分の1の注文であり、それに応えると数万倍の手間になります。一つ一つの注文で細かい要求を聞き入れていると、全体として膨大な処理数となり、結果的にコストとしてお客さんに返ってくるのです。

「お店にとっては数万分の1の注文かも知れないが、お客さまにとってはその注文が1分の1で全てなんだ!だからひとつひとつ真摯に対応しなければいけない。」というのはよく言われる経営理念ですが、逆に消費者側も自分の僅かな要求の数万倍の負担が企業にかかり、そのコストは結果的に消費者側に返ってくるんだということを忘れてはいけません。

だから私は、福神漬抜きのオーダーが幾度と無く無視されても決して怒りません。本来この値段帯のお店としては無理な過剰なサービスを要求しているわけですから。

お店がこの我儘を確実に聞かなければいけないとなると、カレーは明日から今までの2倍のお金を払わないと食べられないようになるでしょうね。

一部の我侭な客を相手にするコストを、多くの良いお客さんに負担させるのは正しいのか

前述の通り私のショップでは、細かい要求はお断りさせて頂いています。もちろん決められた範囲でのご指定はいただけます。カードや代引き、振込など多数の決済方法を選択いただけますし、宅配便の規定内でお届けの日時指定も出来ます。領収証などをご請求いただければお出しいたしますし。ある程度のご要望は承っています。

こういったご指示は流れ作業に組み込まれていて、仕組み化されておりコスト増につながらないからです。

一方、手間のかかるお願い、例えば直接商品を見たいのでそちらに行きたいなどのご要望は受けていません。こういった接客コストがかからないことを前提としてネットショップの安い販売価格を提示できているわけで、こういったことが重なると結果的に値上げをせざるを得ない事になります。

今でもこういった細かいご要望を承っているショップも多くあるのでしょう。しかし、私のショップでは、一部の方の要望を聞くことで発生するコストを広くすべてのお客様に値上げという形でご負担いただくのは不公平だと考えているので、細かいご要望はお断りすることにしました。

実際に、ネットショップや実店舗を問わず、企業が負担しているクレーム処理や一部の我儘に対応するためのコストというのは膨大なもので、目に見えない形で私達消費者が広く薄く負担させられているのです。

要求の過大な一部消費者をのさばらせるということは、私達圧倒的多数の普通の消費者が無駄にコスト負担をするということになるのです。

良かれと思って全てのお客様のワガママに応えるということは、多くの普通のお客様に余計なコストを負担させることになるということを考える必要があります。

まあ、私のお店はネットショップで、お客さまにとって当店で購入するという行動の最大のインセンティブは、安く買えるというところにあるので、コストに関してシビアに考えているところはあります。

実店舗だったらもう少し細かいサービスを提供してもよいと思います。まあでも、今は実店舗で見たり聞いたりして、結果的に安いネットで買ったりする人が多いからなあ。難しいところですね。

返品自由って本当に多くのお客さんのためになるの?

似たような話で、ネットショップなどの通販で返品を承るかどうかということがあります。ネット通販大手のamazonが返品を受け付けていることもあり、返品を受けているお店も多いですが、これって消費者側から見ていいことばかりじゃないんですよ。

返品可能だったとして、果たしてみなさんどのくらい返品したことがありますか?私は1回もありませんがなにか。

おそらく殆どの方は、ほとんど返品したことがないのではないでしょうか。一方、一部の方が返品しまくっているという現実もあるわけです。

そうなると、ほとんどの消費者にとって利益があまりなく、デメリットばかりが目立つ格好になります。

送料と手間が無駄になるショップ側だけではなく、消費者にデメリットが有るとはどういうことなのでしょうか。

簡単な事です。新品購入したのに中古品が届く可能性があるということです。返品された商品がそのまま廃棄されると思いますか。答えはノーです。

多くのネットショップでは、返品された商品はそのまま在庫に戻り、新たなお客さんのもとに送られます。もちろんパッケージを開けられる前のものに限りますが。

では、パッケージが開けられたものはどうなるのでしょうか。アマゾンのような大きなところはメーカーに返してしまいます。小さいお店は泣き寝入りでしょうね。アウトレットとしてオークションなどで安く売るしか無いでしょう。

メーカーに返された商品は、再梱包されて売られる場合と、廃棄される場合があるようです。家電製品など原価が高いものは再販売されます。アパレルなど原価率が低いものは廃棄されるものもあるようです。

再梱包されて販売される時、再生品として売ってくれるメーカーはありがたいですが、新品として売られるものも多いようです。アパレルも廃棄かアウトレットに回されれば良いですが、お店によっては何事もなかったかのように新品として売るでしょうね。

いずれにしても、返品を受付けているお店で購入するということは、下手をすればお古を売りつけられるリスクがあるということです。私のような返品をしない人間にとっては、何らメリットはありません。

というよりも、ほとんどの購入者は返品などしませんので、メリットがありません。あるのはデメリットだけです。

正直、私は返品可能を大々的に謳っているお店ではなるべく購入したくありません。私のショップも初期不良や不具合を除いて返品は受け付けていません。

不親切なように感じますが、結果的にほとんどの購入者にとっては、そのほうがメリットが有るのです。何が嬉しくて中古品を新品の値段で購入しなければいけないのでしょうか。

多くのお客様のためにも一部の我侭な客を切る勇気が必要

今まで述べてきた通り、過剰なサービスは大半のお客さまにとってメリットになりません。良かれと思ってあれもこれもと過剰にサービスすることだけがサービスではありません。

高いお金を払っても手厚いサービスを受けたい人、最小限のサービスでいいので安く売って欲しい人、世の中には様々なニーズがあります。

自分のお店はどのような人をターゲットにするのかよく考えて、サービスの内容と価格を考えていく必要があります。

どれだけ手厚いサービスを提供しても100%のお客様を満足させることは不可能です。それどころかサービスが行き過ぎるとコストが掛かり、結果的に多くのお客様の満足度を下げてしまうことにもなりかねません。

1割の要求水準の高い客の満足度を上げるために無駄な投資を行い、残り9割の普通のお客さんに高いコストを負担させるようなことはあってはならないのです。

1割のお客さんを失うことになるかもしれませんが、結果的に大半のお客さんの満足度を高められ、お店の利益も上げることになるかもしれません。

勇気を持って要求水準の高い客を切るということも必要になってきます。企業にとって一番大事なのは売上ではなく利益です。手間ばかりかかって利益にならない客は切る勇気も必要なのではないでしょうか。

クソ忙しい時に福神漬抜きを要求してくるようなとんでもない輩は、出入り禁止にしてやるべきなのです(`・ω・´)

ま、大手の企業だとなかなかそうもいきませんがね。

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