ラブライブ公式サイトが乗っ取られた?高いがJPドメインが安全か

少し前ですが、あの大人気アニメというかゲームなどなど含めたメディアミックスコンテンツのラブライブの公式サイトが、乗っ取られたと話題になりました。
え?なってない?まあ一部の界隈の騒ぎではありますが・・・

4月5日未明に、人気アニメ「ラブライブ!」シリーズの公式サイトが何者かに乗っ取られ – Yahoo!ニュース(ITmedia NEWS)
headlines.yahoo.co.jp

事の真相はラブライブ公式サイトのドメインが乗っ取られてしまったようで、その後無事にドメインを取り返して復旧できたようです。これもひとえにJPドメインを使っていたことが功を奏したと私は思っています。

私は近年は新しいドメインを取得する場合はJPドメインを選ぶようにしております。

ドメインといえばドットコムやドットネットやドットシーオードットジェーピーなどが有名でよく耳にするものですが、年々色々なドメインが増えて今や訳がわからないレベルです。

そんな中、やはり.comや.netなどは有名なドメインであることと、値段がこなれていることで、昔から多くの人に利用されてきました。一方、.jpは値段が高いこともあり、なかなかアフィリエイトサイトやブログで使うにはハードルが高かったのです。

しかし近年、昔は安かった.comや.netなどが急激に値上がりして、10年前の2倍の年1500円近くまで上昇してしまいました。その一方、.jpは徐々に値段が下がってきて今や年2000円台後半で使えるのです。

国際的に使われている.comや.netなどの有名ドメインと、日本国内向けの.jpドメインの価格差が、最大でも2倍程度まで縮まった昨今ですので、もはやわざわざ安物ドメインを使わずに、安心安全のJPドメインを使うのがおすすめです。

ドメインなんてどれでも同じじゃん!毎年かかるんだから少しでも安いほうがいいでしょ!と思うかもしれませんが、安全性やSEOなどを考慮するとJPドメインを取得する方に分があります。

本日はJPドメインを取得するメリットについて解説していきたいと思います。

ラブライブ公式サイトのドメインが乗っ取られたのは移管申請を悪用されたか

私達サイト管理者がドメインを取得する場合は、ドメイン販売会社から購入することになります。

このドメイン販売業者にはムームードメインやバリュードメインなど実に様々な会社がありますが、これら販売代理店はレジストラと呼ばれるドメインの卸業者を通じてドメインを卸してもらっています。

そして、ドメイン卸業者であるレジストラは、レジストリと呼ばれる大本のドメイン運営者からドメインを卸してもらっているのです。つまり、レジストリというドメインの管理団体が各ドメインを管理していることになります。

.comドメインであればVeriSign、.jpドメインであればJPRSという機関がドメインを管理しています。ドメインの取得や利用などの管理はこのレジストリが行っていますが、取得や廃止や更新などの実務作業はレジストラ(お名前.comなど)を通じて代理店(ムームードメインなど)が行っています。

さて大本の運営主体であるレジストリは変えようがありませんが、そこから業務を委託されているような形になっているレジストラや代理店は消費者が自由に選べるようになっていて、どこの業者を使っても構いません。最初に取得する際はもちろん、ドメイン運用が始まっても途中で業者を変えることが出来ます。

例えば、レジストラであるお名前.comの代理店であるムームードメインで.jpを新規取得をしたものの、更新料金が高いことを嫌って1年後に、レジストラのNetowlの代理店であるスタードメインに業者を変えるということが出来るのです。レジストリであるJPRSは唯一の存在なので変わりません。

こういった管理業者を変えることを移管と呼ぶのですが、これは代理店のコンパネ上から簡単に操作を行うことが出来ます。

上記の例で言えば、スタードメインにログインしてコンパネからムームーで登録しているドメインの移管申請を行うと、現登録業者であるムームードメインからドメインを移せという指示が来ているが間違いないかという確認のメールが来ます。

このメールでその確認を行うと、あとは業者が勝手に移管手続きを進めてくれます。数日から数週間で移管先の業者スタードメインのコンパネ上にドメインが移管されます。

この手続は本当に簡単で極めて簡単に移管できてしまいます。もちろん、全く関係ない第三者がドメインを盗もうと他人のドメインを移管申請しても、移管の確認メールはドメインの持ち主のメールアドレスに届きますので確認が行えずに移管手続きが進むことはありません。

しかし、この移管の意思確認のメールは何故か全部英語表記だったりするのです。.comや.netの移管をしたときはすべて英語でした。.jpは移管したことがないので謎ですが流石に日本語かな。よく分かりませんがレジストリからのメールをそのままユーザーに転送するような感じになっているのかもしれません。

仕組み上は最終窓口である代理店やレジストラが顧客に確認するはずですが、数が膨大で管理しきれないのでレジストリからの自動メールが顧客にそのまま流れるようになっているのかもしれません。

これを間違ってOKボタンを押してしまったりして、意図しない移管が行われてしまって、第三者にドメインを盗まれてしまう可能性が少なからずあるんですよね。本当に盗もうとする側は勝手に人のドメインの移管申請をするだけですからね。あとは持ち主の元に届く移管の確認のメールでOkボタン押すだけで移管されてしまうので恐ろしい。

上記のニュースでは、ラブライブのサイトの件も、この移管の悪用によって盗まれたということでしたが、大手企業が使っているドメインが簡単に盗まれてしまうとはなんとも恐ろしいものです。

日本国内組織のJPRSが管理するJPドメインだからこそ復旧が素早かった

しかし、このラブライブのサイト乗っ取り事件ですが、ほんの数日後にはドメインを取り返しサイト復旧に至りました。

ドメインの所有に関するゴタゴタですと場合によってはかなり揉めて最悪裁判ざたになってもおかしくありませんが、今回の場合は明らかに大手企業が所有していたドメインを第三者が盗んだ事態が明らかですのでスピード解決になったのでしょう。

これが名もなき個人が所有していたドメインで、なおかつ盗んだ相手が海外からだったりした場合、取り戻すのが相当困難な事態になったか、あるいは永久に取り戻せなかった可能性すらあります。

今回スピード解決できた大きな要因として、盗まれたのが.jpであったのも大きいと思います。これは当然JAPANという文字から来ているもので、基本的には日本製用ドメインとなっています。

もちろん私達が.usを取得するのが自由なように、海外から.jpを取得して利用することも出来ますが、普通は使わないでしょう。

インターネットはアメリカの文化ですので、.comや.netなどを始めとして多くの有名ドメインは海外のレジストリが管理しています。しかし、.jpドメインだけは日本の機関であるJPRSが管理しているのです。

これがでかい!大本のドメイン運営源であるレジストリが日本の機関なのですから、何か問題が発生した際に解決た対処がやりやすいことこの上なしです。

これが海外のレジストリが管理している.comなどであったら、通報から交渉まで全て英語でやり取りしなければいけない上に、最悪海外での裁判ということにもなりかねません。

盗まれたのが小さな個人サイトであれば、実質泣き寝入りになってしまうかもしれません。

結局ひろゆき から奪われてしまった2チャンネルもとい5チャンネル

海外にドメインを奪われた有名な例としては”2ちゃんねる”があります。これは西村博之氏が作った日本最大の掲示板で、ネット黎明期には国内のネットでは大変な影響力がありました。

有益な情報も多かったのですが、度々犯罪予告などが行われたりして犯罪の温床と呼ばれることもあり、ついにはドラッグ板の書き込みが原因で管理人の西村博之氏までが警察から事情を聞かれる事態となりました。

これを嫌ったひろゆき氏が、シンガポールのパケットモンスター社というペーパーカンパニーに”2ちゃんねる”の管理権限を譲渡したりしましたが、あとから実質的にひろゆき氏の管理であることがバレてしまいます。

そして2013年、ひろゆき氏は”2ちゃんねる”のサーバを管理していたアメリカのサーバ業者に、2ch.netの譲渡を行います。これでドメインごと”2ちゃんねる”を海外で管理してもらって、利益だけ得ようという考えだったのでしょう。(後にトラブルになってから、ひろゆき氏は譲渡ではなく不正アクセスで乗っ取られたと主張。)

しかし、すべての管理権限からドメインまで譲渡してしまったら、乗っ取られてしまう恐れがあるのは当然です。サーバ業者のJimとは10年以上の付き合いがあるのでひろゆき氏も信頼していたのでしょうが、そういった日本人的な信頼関係は外国人には通用しなかったのでしょうね。

結局、2ch.netがひろゆき氏のもとに帰ってくることはありませんでした。2018年には東京地裁で乗っ取りが認められて、ひろゆき氏が勝訴しますが、国内で判決が出てもどうしようもなく返ってくることはありませんでした。

乗っ取ったJim氏もいずれ敗訴することを見越してか、2チャンネルを5チャンネルと改名して、ドメインも5ch.netに変更しています。今ではすっかり5チャンネルとして馴染んでしまっていますよね。

いずれにしても、.netなど海外のレジストリ管理のドメインでは、乗っ取られてしまうと取り戻すのは至難の業であることが伺えます。これがもし2ch.jpであったならばレジストリはJPRSですので、紛争解決は数日で終わったかもしれません。

大事なサイト資産を守りSEO上も有利なのはやっぱり.jp

といったわけで、数日でサクッと解決したラブライブのサイトの乗っ取りと、6年以上経つのに一向に返ってこない”2ちゃんねる”の乗っ取り事件との比較でしたが、いかがだったでしょうか。

乗っ取りが明らかなラブライブと、譲渡したしていないで争っている2ちゃん事件では、そもそも争点が違うということもあるのかもしれませんが、それでも.jpであれば国内裁判で勝訴すればすぐにドメインは返ってきたでしょう。

もうこれだけ見てもどうして.jpが良いのか一目瞭然ですよね。ドメインを管理している大本の機関レジストリが日本にあるか海外にあるかで、その安全性が段違いなのです。

アフィリエイトなどをやっている方はよく分かると思いますが、稼げているサイトのドメインというものは恐ろしいほどの価値を持ちます。月100万の広告収入をもたらすドメインなら、その1,2年分の総収入に相当する値段で売却できますので、2500万くらいで売れてしまう可能性があります。

ドメインなんて単なるデジタルデータですが、その価値は想像を絶するものであり、大きな資産なのです。これは何としても守り抜かなくてはいけません。

あなたは海外のよくわからない金融機関にお金を預けたいと思いますか?そうは思いませんよね。国内のネット銀行を選ぶでしょう。

ならばドメインも同じだと思いませんか。場合によってはこの先数千万あるいは億の価値を持つまでに成長するかもしれないドメインを、なぜ海外の機関に預けようと思うのですか?

最終顧客窓口であるレジストラやその代理店が国内業者でも、その大本の管理機関であるレジストリは海外の機関なんですよ。これでは意味がありません。

だからこそ国内機関が管理しているJPドメインが奨励されるのです。私は最近新しく取得したドメインはすべて.jpです。

ちなみに最近はあまり影響がなくなりましたが、一時は.comや.netよりも.jpのほうがSEO上有利な時代もありました。これは値段が高いのでバックリンク用にサテライトを量産しにくいためだったようです。

今でも.xyzなど中古ドメインを使ったバックリンク用サテライトに多用されるドメインはパワーを下げられているという話もあり、200以上といわれているgoogleのアルゴリズムの一端にはなっているのかもしれません。少なくともマイナスにはならないでしょう。

また、最近は.netなどの有名ドメインが年々値上がりしてきて、.jpはややお値段が安くなってきたので、その値段差は2倍程度になっています。昔よりは.jpを使いやすくなってきているので、大事なサイトにはJPドメインを使うのがおすすめです。

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