楽天市場が送料無料などのレビュー特典の付与を禁止?条件を満たせば今後もOKか
楽天市場がレビューを書くことに対してインセンティブを与えることを禁止にしたと話題になっています。実際には11月12日付でガイドラインが改定されていたのですが、適用は来年頭からということでいよいよ期限が迫ってきました。
楽天内の検索順位を決める楽天内SEOにおいても、レビューの高さや数などは重要な要素を占める為、これまでは多くのショップがレビュー特典を付けていた訳です。
レビュー特典とは、レビューを書くと約束してくれた人には送料無料や10パーセント割引など値引きをしたり、プレゼントをあげたりと何らかのインセンティブを与える行為です。
レビューを書いてもらうことは大変難しく、購入した人の内の極々小数しかレビューを書いてくれる人はいません。100人買って1レビューが付けば良いほうでしょう。したがって、大量のレビューを集めてライバルと差をつけるために、多くのショップがレビュー特典を付けているのです。
楽天市場でレビュー特典を付けると、半数近くがレビューを書いてくれます。逆にYAHOOショッピングでは、レビュー特典を付けても4人に一人程度しか書いてくれません。レビュー特典を受け取りながら大半の購入者がレビューを書いてくれないのが現実です。
これは以前から大量の会員を囲い込んできた楽天と違って、2013年のEC革命以降急速に伸びてきたYAHOOショッピングに会員登録及びログインしている人が少ないからだと思われます。
いずれにしても、レビューを書いてもらい、モール内検索エンジンで上位表示させるためには、レビュー特典を付けてレビューを大量に集めることが重要なのです。
そのレビュー特典が、楽天市場で禁止されるというのですから、そのインパクトは計り知れません。もし完全に禁止ということですと、既に大量のレビューを集めている古参ショップが圧倒的に有利になり、これまでも不利だった新参ショップが入り込む余地がますます無くなってしまう恐れがあります。
しかし、ガイドラインを読むと、どうやら完全にレビュー特典が禁止されるわけではないようですので、今日はそのあたりのことを解説していきたいと思います。
この記事のもくじ
そもそもなぜレビュー特典を禁止するに至ったのか
内容を見ていく前に、そもそもなぜレビュー特典が禁止されることになったのか考える必要があります。その理由とは、ずばりレビューの質が下がっていたからです。
レビュー特典が欲しいがために、書きさえすればいいんでしょ!とばかりに、簡単でいい加減なレビューを書く人が続出して、レビューの質が著しく低下していたのです。
「良かったです!(終)」「まだ届いていませんが、期待を込めて星5」「早く届くことを期待してます。先にレビューしておきますね。評判が良いので星4にしておきます。」など、届いてもいないのに想像でレビューを書いたり、レビューにもなっていない一言を書き込んで済ます人が続出していたのです。
こんなレビューを書いたという事実を作るだけのゴミレビューが大量に書き込まれては、本当の商品の評判を調べたい人にとっては百害あって一利無しです。こんな状況を改善するために楽天市場は質の低いレビューを増やしやすいレビュー特典を禁止するようです。
注文に対してインセンティブを与えることを禁止されない条件
それでは、どのようなレビュー特典が禁止されたのか見ていきましょう。前述のとおり、全てのレビュー特典が禁止されたわけではなく、一定の条件を満たせばこれからもレビューにインセンティブを付加することが出来ます。
それではレビュー特典をつけるには、どのような条件を満たせばよいのか見ていきましょう。
1.特典内容は、今回の注文の値引きに該当せず、商品発送およびレビュー投稿の確認後に付与できるものに限る
これが最も重要な点ですね。今回の注文から値引きしたり、今回の注文の送料を無料にしたりと、今回の注文の値引きをするようなインセンティブは禁止だそうです。次回10%引きや、次回の注文の送料無料など、次回の注文から割引をするクーポンを発行することなどは認められるそうです。
これは、商品が届く前に妄想でレビューを書くことを防ぐためということですが、楽天側の商売上の意味もありそうですね。購入者側からすると少々使いにくくなります。
また、割引ではなくプレゼントの場合も、商品に同梱することが禁止になるようです。私のショップでは割引ではなく、商品に関連する小物をレビュー特典としてプレゼントとしていたのですが、これは禁止になるようです。
同封はせずに、きちんと商品が届いてレビューが書き込まれてから、別に発送する必要があるようです。これは手痛いですね。プレゼントを発送する送料が別にかかってしまうことになります。
今までは書いてくれるものとして信用して先にプレゼントを同梱していましたが、これからはレビューが書き込まれたか一つ一つ確認してから、あらためてプレゼントを送る作業が必要になりますので、相当な労力が発生します。
これは、レビューと注文情報をリンクさせる新機能で、リンクさせることを同意してレビューを書き込む必要が有ることを、予め分かり易く購入者に知らせておく必要があるということですね。
3.配送状況の登録をすること
これは今回のガイドライン改訂とは関係なく、従来から徹底するように告知されていたことです。発送後に荷物番号を入力して、運送会社情報と共にメールなどで購入者に告知しなさいということです。
これをやっておくのとおかないのでは、指定通り荷物が届かなかった際のトラブル発生率が格段に違います。もうこれはネットショップを運営する上で必須になります。
今回これが条件に入っているのは、しっかり届いてからレビューを書いているのか確認する意味と、楽天側がこれを機に運送会社と荷物番号の通知を全ショップに徹底させたいということでしょう。
4.必ずレビューが投稿されていることを確認すること
これも今回のキモですね。届く前に妄想でレビューを書くことを防ぐ狙いがあります。きちんと届いて、かつレビューがしっかり書き込まれていることを確認したうえで、満を持してレビュー特典を付与することになります。
今までのように、レビューを書き込んだこと確認せずに、お客様を信用して予め全員にインセンティブを付与することは禁止です。店舗側がレビューを確認することが周知されれば、レビューの書き手もしっかりとしたレビューを書くことになるでしょう。
また、店舗側から見ても、インセンティブを与えた購入者が全てレビューを書いてくれるので、特典が無駄になることがありません。
5.レビュー内等の良し悪しに関わらず、同じ特典を付与すること
これも当たり前のことですよね。良い評価をしてくれた人には特典をあげて、悪い評価をした人にはあげないということであれば、正当で公平な商品評価になりません。
レビューの公平性を保つため、どんな内容でも一定の特典を公平に付与することは当然です。というか、今までこんなインチキをしているショップが有ったのでしょうか?そちらのほうが驚きです。
今回の楽天市場みんなのレビューの特典禁止騒動まとめ
ということで、レビュー特典を禁止されないための条件を見てきましたが、要するに商品が届く前にレビューを書き込むことを防ぐことが核となっています。
商品が届いたことを確認して、レビューを書いてもらったことを確認して、それから次回割引クーポンなり、プレゼントなりをお届けすれば良いということです。それほど難しいことではありませんね。手間はかかりますが・・・
かなり手間は増えますが、公平なレビューを保つためには仕方がないことです。逆に、このルールをしっかり守れば、これからもレビュー特典を付与することが出来るということですので、ショップ側も一安心ですね。
私もこれを機に、特典だけ受け取ってレビューしてくれない人が多いYAHOOショッピングの方も、楽天と同じようにレビュー確認後に送る方式にしようかと思案中です。
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