Youtube有料化はガセでしたが改めて市場寡占化の弊害を実感
本日、ネット上はYoutube有料化の話題でもちきりでした。午前中頃から大手のまとめブログがこの話題を一斉に掲載したことから、広く拡散されたようですね。
2005年頃から長らく全サービスを無料で提供してきた動画配信サイトの最大手Youtubeがついに有料化かということで、話題沸騰でした。
まあ結果的に、これは大誤報のガセ情報だったわけで、ネット民は胸を撫で下ろしたわですが、あらためて少ない大手が市場のシェアの多くを占める寡占市場の恐ろしさを感じました。
今日のブログではその辺りを考えてみたいと思います。
この記事のもくじ
Youtubeの有料化はやっぱりガセでした
ネット上が大騒ぎだったYoutubeの有料化話ですが、蓋を開けてみれば完全な誤報でした。
どこが情報の出どころか分かりませんが、こちらから引用しているまとめブログが多いのでここなんでしょうか??
なんか、機械翻訳を使って素人が翻訳したような文章ですね。ニュースサイトなのか個人のサイトなのかも良く分からないレベルです。
誰が見ても間違いであろうガセ情報を、ガセと分かっていながら大げさに取り上げてアクセス数を稼ぐというのは、大手まとめブログのいつもの手ですね。しかし、大手まとめブログの情報発信力は今や小規模マスコミも凌ぐほどですから、その影響力は計り知れません。
SNSが発達した現代では、注目を集める話題はあっという間にネット上に拡散されます。結果的に大騒ぎになってしまいました。
そもそも、広告収入だけで千億単位であるYoutubeがわざわざ有料化するわけがありません。動画配信サイトは静的サイトに比べて転送量が桁違いですので、無料でサービスを維持するのは難しいですが、Youtubeはgoogle傘下で体力がある上、広告もgoogleの広告を使っているのでシナジー効果があります。
たとえ単体で赤字であったとしても、googleからすれば有料化してユーザーを減らすメリットがあまりありません。目先の金よりも、世界最大の動画サイトとしての力を維持するほうが遥かにメリットが有るはずです。
実際、年々広告は増えてきましたが、ニコニコ動画のような差別化した有料サービスを作ることもなく、高画質配信も含め全機能を無料サービスで提供してきたわけです。
それが、2015年末までに、ニコニコのような差別化した有料サービスが始まるというだけの話です。有料と無料の差別化は、広告が表示されなくなるくらいなのでしょうか?あるいはニコニコ動画のように画質に差が出てくるのかな??いまひとつ謎ですが、まもなく明らかになるでしょう。
いずれにしろ無料でYoutubeを見ることができなくなるわけでは無さそうなので一安心です。
最大手により寡占化されるネットサービス
しかし、有料化でこれだけ騒がれるというのは、やはりYoutubeが動画サイトという市場の中で圧倒的なシェアを持っているからに他なりません。
業界二番手のニコニコ動画にしても一時ほど勢いがありませんし、3番手のfc2動画はほぼエロ需要なうえに、先日ついに摘発されて壊滅状態です。
他にも主に著作権無視の違法アップ動画を視聴する目的で中国系など海外の動画サイトが利用されていますが、あくまで違法アップ動画を見るためであり、クリエイティブな動画がアップされるのは、実質的にYoutubeとニコニコ動画だけとなっています。
このような寡占市場で最大手の1社がサービス内容を変えるというインパクトは大変大きなものです。いやなら他のサービスに移るということが難しいからです。実際、まとめブログにまとめられたネットの反応を見ても、もう見ないという人が多いものの課金をするという意見も少なくはありませんでした。
ユーザー数は確実に減るでしょうが、実際に完全有料化したところでYoutubeが最大手の動画サイトであるという事実は揺るがなかったでしょう。なにしろ蓄積されているコンテンツ量が違います。
囲い込んでるユーザー数も大きな武器ですが、それ以上に今までアップされた膨大な数の動画が動画サイト最大の資産です。新規ユーザーは、莫大な広告費を投入すれば全くの新しいサイトでも集められますが、あれほどまでの膨大な動画ストックを集めるのは非常に困難でしょう。
動画が無ければ人が来ない、人が来なければ動画が投稿されない集まらないで、新規動画サイトが食い込むのは至難の業です。これからもYoutubeとニコニコ動画の2大巨頭による寡占状態は続くのでしょう。
ネットサービスは特に、いち早くサービスインして早期にユーザーを囲い込んだ企業が強い傾向にあります。リアルビジネスですと後発でも勝ち目は十分にありますが、ネットサービスですと先にユーザーを囲い込んだところが総取りとなってしまいます。一度体制を固めるとなかなか崩れないもので、余程のヘマをやらかさないかぎりは安泰です。
2,3年前にPixivという画像投稿サイトの運営側がユーザーであるオタク層をバカにする発言をして、怒ったユーザーが他の画像投稿SNSに集団移住を試みた事件がありましたが、1,2ヶ月もするとほとんどPixivに戻っていました。
ユーザーを抱え込み、多くの投稿コンテンツを抱え込んでいるというのはそれほどに力のあることなのです。ちょっとやそっとのことでは動きません。
そう考えるとmixiからfacebookに大移動が起こったのは奇跡にも思えますね。mixiはなぜあんなに急速に衰えてしまったのでしょうか???ソーシャルゲームのモンスターストライクのヒットで会社自体は復活しましたが。
寡占化が消費者にもたらす不便
きちんとした自由競争の上での寡占化なので問題はありませんが、囲い込み力の半端ではないネットサービスにおける寡占化は、特にユーザー投稿型のコンテンツ蓄積型のネットサービスの寡占化は、消費者にとっては少々心配ではあります。
このサービスは大幅に使い勝手が悪くなったから他に行こうという代替が利かないからです。無料で始めておいて、ユーザーをしっかり囲い込んで寡占化が完了したら有料化するという手口は、今まで幾度と無く繰り返されてきました。
寡占化したとたんに完全有料化するとユーザーの大反発を招くため、有料サービスに加えて無料サービスを維持して残すのが特徴的です。しかし、無料サービスの方は大抵機能制限が入りますので、快適に使おうと思うと有料会員になるしか無いという手口です。
先述のニコニコ動画は、始めは無料でした。ある程度のユーザーとコンテンツを抱え込んだタイミングで有料のプレミアム会員ができると、無料会員は画質を落とされるなど機能制限を受けるようになりました。無料でもサービスは利用できるのですが、利便性が大きく劣ることになります。
有名な外食レビューサイト食べログも昔は完全無料でしたが、ユーザーと膨大なレビューを抱え込むと有料サービスを始めました。パソコンからなら無料でも全機能を使えますが、スマホからだと有料会員でないとランキング順に並べることが出来ません。これで大変な数の有料会員を抱え込んでいます。
レシピ投稿サイトのクックパッドも同じですね。会員と投稿されたレシピを抱え込むと、有料会員を打ち出しました。無料会員でも全レシピが見れますが、有料会員にならないと人気のレシピを検索して探しだすことが困難だそうです。こちらも大変な数の有料会員を集めています。
このように、ユーザーとコンテンツを抱え込んだネットサービスが体制を固めてしまうと、一方的な有料化などユーザーにとって理不尽なサービス内容変更があっても、ユーザーは泣くしかありません。
リアルビジネスでも寡占化された市場など碌なものではありませんが、トップが総取りすることも珍しくないネットサービスにおいては特に恐ろしいなあと思うわけですよ。
普段から寡占化を許さない消費行動を考えよう
ネットサービスですとコンテンツを抱え込んだ最大手のサービスを利用しないわけにもいきませんが、私達消費者も普段から特定の営利団体が市場を支配することのないように気をつけておく必要があります。
先日のレイコップの記事でも指摘しましたが、特に日本人は大手のみんなが選んでいるものを選ぶような癖があります。消費まで右へ習えする必要はないでしょう。
大手の商品ばかり選んだり、売れているものを欲しがるのは結構ですが、市場シェアがトップにばかり集中して寡占化が進めば、最終的に不利益を被るのは消費者なのです。
ワタクシなんてひねくれているので、皆が欲しがるトップ企業のものなんて滅多に買いません。iPnoneなんて全然欲しくないですね。今まで一貫してアンドロイドです。ブログなどでレビューをする必要でもない限り買う予定もありません。
まあ各々欲しいものを購入すればよいのですが、あまりにも一部の営利企業がシェアを握ると、いつか我々消費者がしっぺ返しを受けるのだということは忘れずに、消費行動を取りたいものです。
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