ネット起業で法人設立する場合の登記住所は自宅or事務所を借りる?自宅オフィスだと意外とデメリットも

私はEC事業や不動産賃貸業を法人で営んでおりまして、副業として個人事業でアフィリエイトに取り組んでおります。

法人の本店所在地は会社の事務所兼倉庫の建物にしていて、個人宅は近くにワンルームマンションを借りています。しかし、元々会社の事務所に住み込む予定で事務所を購入しましたので、住民票は事務所になっているのです。

つまり法人と個人の住所が一緒になっているわけですね。普通は新たに起業しようと思った人が、事務所を借りるお金を節約するために自宅で開業する選択肢が一般的ですが、私の場合は逆バージョンで便宜上会社の建物の方に個人の住所を置いているのです。

最初は小さく起業することが望ましいと、多くの起業家は自宅で独立するケースが多いようです。初期投資を抑えることができるのは相当大きなメリットになります。小さな一人起業とも慣れば殆どの人が自宅で起業しているのではないでしょうか。

少し前に起業家の方とお会いして色々なお話をさせていただいたのですが、後輩の方が起業したばかりという話題が出ました。 勤めていたアマゾンを辞め、スマホアプリを開発してウェブサービスを展開する会社を起業したそうです。起業からわずか1ヶ月余で創業時の資本金2000万円が底をつき、出資についての相談を受けたというではありませんか。
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私もそれで良いのだと思っていましたが、最近会社と個人の住所が同じだと少々不都合があるのではないかと思ったケースが有るのでご紹介したいと思います。

個人の住所から法人住所を逆引きされるのは気分が悪い

つい先日、私の不注意で車のドアを開けようとして隣に停車中の車にぶつけてしまったようで、物損事故になりました。

ほんの微かに幅3ミリくらい塗料が禿げた程度で修理の必要すらないくらいでしたので、修理代に相当する何万か渡して終わりのケースだろうと思いましたが、相手方が任意保険を使って直せと主張するので物損事故の認定のため警察を呼んで、警察から渡された連絡シートにお互いに住所電話番号などを書いて交換し合いました。

まあ、あとは保険会社に任せて、結局びっくりするくらい安い修理費だったので、保険を使わずに自費で修理代を支払いました。わざわざ警察呼んで、あちらも時間とって、結局こんな額しか受け取れないなら、はじめから何万か受け取って早々に解散したほうが得なのにと思いましたが、まあこちらとしては安く済んだのでOKです。

それはそうと、お互いに個人情報を交換するのですから相手方も嫌そうにしていました。氏名、電話番号、住所が知られてしまうため、ネット時代いろいろと発掘されかねませんからね。実際私も、ああいうクレーマー気質な人間がどんな家に住んでいるのだろうと、googleマップとストリートビューで見てみましたからね。

こういう事故の際に、相手方が余程のガイキチでもない限り、報復や嫌がらせを受けることはないと思いますが、失うものがない相手を追い詰めたりすると怖いかも知れません。特に小さな子供でもいたら心配です。

私が今回困ったのは、個人の住所を会社の事務所に置いていたため、結果として会社の住所を交換することになってしまった点です。向こうが住所を検索で調べれば、会社のホームページがすぐに出てきてしまうので会社を知られてしまうことになります。

EC事業もやっているため、会社のネットショップに嫌がらせでもされたら大変な事態です。こればかりは今回しまったなあと思いましたね。停まっている状態でドアをぶつけてしまい、10:0でこちらが悪い案件ですのでモメることもありませんでしたが、複雑な事故などの案件では恨みを買い、嫌がらせされるなどの事態も考えられます。

今まで会社の住所に個人の住民票を置いていても不都合はなかったのですが、今回の件でちょっと考えを改めました。近々、個人の住民票は自宅マンションの方に移すかも知れません。

自宅で起業するメリット

さて、非常にありがちなドアをぶつける物損事故から、自宅と事務所を同じ住所にするデメリットに気付かされてしまいましたが、一般的には自宅の住所で法人を設立したり個人事業で起業したりするのには色々とメリットがあります。

まずなんと言っても開業時の初期費用を大幅に抑えられるというのが大きなメリットです。私は東京のど真ん中に事務所を借りて法人設立しましたが、開業から7年間で実に2000万円程度の家賃を支払うことになりました。

私の場合EC事業で在庫を置くスペースが必要なため少し特殊ですが、士業で開業するような小さな事務所でも月5万円程度はかかるのが現実です。自宅住所で登記して、自宅の書斎で仕事をすればタダなのに、毎月固定で家賃が発生するのは実に厳しいです。

自宅起業かつ自宅が賃貸であれば、家賃の半分を法人や個人事業経費として損金処理できる可能性もあります。経費にできる割合は使用の実態によってマチマチでしょうけど、全く経費にできないということはないでしょう。

また、同様に水道光熱費やネット回線代も、使用割合に応じて事業の経費とすることが出来ます。自宅と事務所を分けると両拠点で基本使用料も発生しますが、これらが一本化出来ます。しかも、一定割合は経費にできるという。

また、パソコンやプリンターやFAX、オフィスデスク、オフィスチェアー、茶具、エアコン、照明など新たにオフィス用に買い揃えなくても、自宅のものを使えるのは嬉しいところです。とにかく、自宅起業だと始めにかかる初期費用を大幅に抑えることが出来ます。

私も資本金300万円で起業したのですが、はじめの1ヶ月でオフィスを契約したり、色々とオフィス家具をそろえたりで200万使ってしまいましたからね。あっと言う間に会社の資金が100万円になってしまいました。

初期費用は抑えられるなら抑えられるだけ抑えたほうが懸命ですから、ネットビジネスや士業をはじめとして店舗や倉庫がいらない場合は、起業当初は自宅を活用するのは合理的です。

会社と個人の住所が同じであるデメリット

一方、今回の私の件ではありませんが、法人と個人の住所が同一となるといろいろな問題が出てきます。起業してしばらく経って、ある程度軌道に乗ってきたら、自宅とオフィスを分けるほうが良いケースも出て来るかも知れません。

まず前述の家賃や光熱費の一部が経費にできるという話ですが、どこまでを経費にするのかというのは非常に難しい話で、究極的には税務調査に入られて税務署の見解を聞くまで分かりません。担当の税務署員のさじ加減次第というのが実際のところです。

ある程度事業規模が大きく育ってきたら、いろいろな経費面で個人とは分けて考える必要が出てくるのかも知れません。個人名義で契約して、その一部を経費として計上していた場合、もし言いがかりをつけられて全額否認されてしまっては一巻の終わりです。

実務的なデメリットの他に、マインド上のデメリットも考えられます。つまりは、仕事場と生活の場が同じ場所であるというのは、モチベーションなどに影響を及ぼすことになります。

毎日朝から満員電車に乗って通勤するという行為にはやはり一定の効果があるようで、あの途方もなく無駄な時間の浪費を通じて、サラリーマンは仕事モードに入るという側面は有るのだと思います。

その点、自宅がオフィスのSOHO自営業者は、朝起きてその場所が仕事場になり、始業時間が決まっているわけでもありませんので、下手をすればいつまで経っても寝ているような事態も考えられるわけです。

事務所が別にあり決まった時間に通勤する習慣にしておいたり、従業員を雇って外部の目に晒されていないと、性格によってはどこまでもダラケてしまうということになりかねません。特に自分を律することの出来ない怠け者の自覚が有る方、要注意です!

税理士の方に話を聞くと、自分の担当する自営業者の大半はサラリーマンの平均年収を稼げていないとのことでしたが、これは自営が厳しい競争にさらされているというよりも、むしろモチベーションの問題が大きいのではないだろうかという気がしてきます。

持ち家兼仕事場があると、自分と家族がなんとか暮らせてしまう額を稼ぎ出しているだけで生活が維持できてしまうので、収入が少なくても伸ばそうともせずにダラダラと変わらない状態を続けてしまう人が多いように感じます。

親から相続した自宅兼事務所または店舗がある自営業者なら、月20万も利益が出れば1家4人なんとか暮らせてしまいますからね。自営業者は結構のんびり構えている場合が多いように感じます。もちろん私もその一人です。困ったもんだ・・・

その他、威厳の問題もあります。やはり民家が事務所では舐められるふしがあります。

私の母は昔、自宅でピアノ教室をやっておりましたが、自宅で知り合いに教えているような感覚でしたので、物価が変わってもなかなか値上げなどをすることも出来ず、レッスン予約のバックレや直前の予定変更の要望など無理な要求も多かったようです。

知り合いに自宅で習うという緩さが、プロからレッスンを受けるという行為の価値を下げ、ふさわしい対価を支払うインセンティブを削ぎ、要求面では過剰になってしまうのです。

ドシッと事務所を構えて、法人としてやっている以上、他のお客様の手前、知り合いにだけ特別扱いは出来ないということを言えるかどうかは非常に重要です。

結局事務所は分けたほうがいいの?

というわけで、法人を設立する場合、あるいは個人事業主として事業所登録するにあたって、住所を自宅と同じにするのか分けるのかという問題ですが、結局どちらのほうが良いのでしょうか。

究極的には個人の趣向の問題ですので好きにすればよいのですが、私の経験から言うと起業当初は経費を節約するために自宅で開業したほうが良いような気がします。

事業が軌道に乗ってきたら事務所を借りて移ればよいのです。お金の問題を除けば自宅と仕事場は別に越したことはありませんので、軌道に乗ったらさっと移ってしまってもいいかも知れませんね。

個人事業の住所変更なら納税地を変えるだけのことですので、税務署に何枚か書類を提出すれば終わりです。法人の場合は本店の移転登記が必要になりますが、司法書士に任せずに自分で手続きを行えば登録免許税3万円だけで済みます。住所を移す先が他県など今の法務局の管轄外になると6万円かかります。

住所が変われば、税務署や年金事務所など公的な機関への申請や、金融機関や民間サービスなどへの住所変更手続きなど面倒な処理はありますが、全部合わせても大層な仕事ではありませんので、気軽に住所は変えられるのです。

色々なリスク分散や、モチベーションの維持などのためにも、事業が軌道に乗っているのでしたら自宅と事務所は分けるほうが望ましいでしょう。

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