爆買いでラオックスの最終利益79倍に?円安時代に有望なインバウンドビジネスとは
世間はお盆休みですが、本日も糞暑い中せっせと働いている今日このごろでございます。
皆様はいかがお過ごしでしょうか。私は、糞暑い中、長袖のスーツを着て東京まで仕事でやってきています。ネットショプで取り扱っている商品のメーカーさんと打ち合わせで、糞暑いのにノコノコと東京までやって来ました。
秋葉原の周辺まで来ているんですが、まあ中国人がいるわいるわ、なんじゃこりゃーーーという感じです。5年前まで東京に住んでいましたが、ここまで中国人観光客はいなかったような気がします。
中国は、不動産市場に続いて株式市場の崩壊が始まっていて、いよいよバブル崩壊かという流れになってきていますが、中国人観光客は相変わらず元気なようです。
「爆買い」は今年度々ニュースを賑わしていて、銀座の百貨店も軒並み業績を伸ばしているそうですね。まあ日本経済にとってはとても有難いことですが、我々のような中小の事業者が直接恩恵にあずかるのは難しいのが悲しいところです。
中国人の爆買いの恩恵にあずかれるのは、名のある百貨店や、中国資本で強制的にツアー客を動員できるお店だけです。
その中国資本のお店の一つであるラオックスが、驚きの業績アップを果たしているというニュースが掲載されていて、ビックリです。
この記事のもくじ
中国人観光客のインバウンド消費「爆買い」で躍進するラオックス
ラオックスといえば、爆買いのニュースなどでは度々取り上げられていて、ご存知の方も多いかと思います。今では免税店のラオックスですが、家電量販のラオックスとしてのイメージをお持ちの方のほうが多いのではないでしょうか。
秋葉原の店舗を思い浮かべる人が多いと思いますが、最盛期には地方の地場の家電小売店との業務提携や子会社化などで、年商2000円億円以上だったそうです。立派な家電量販店のグループです。
その後、業績が悪化し、2009年に中国資本の傘下になりました。2009年といえば同じく秋葉原の石丸電気がエイデンに吸収され消滅した時期で、ラオックスよお前もかと思ったものです。
確かこの時のニュースで、すでに買収時から、中国人の社長は訪日中国人向けの店にするという方針を出していたような気がします。それが成功して今日の有り様ですよ。
どうも噂によると、中国の旅行代理店にインセンティブを支払うことで、中国人のツアー客を強制的にラオックスに入店させ、大して安くない値段で商品を売っているようです。
特定の免税店での買い物がツアーに組み込まれていて、地元の良く分からない店で買うと危ないですよと吹き込まれ、クーポン的な物を渡されたら、全然安くない値段の店でもそりゃ買いますよ。
うーん、なんか90年代位までの昔のHISの海外旅行ツアーを思い出すなあ。ツアーはJTBとかより安いけど、何回免税店に連れてくねん!せっかくの滞在時間が無駄になるやん!と怒りを覚えた記憶があります。
まあ、中国のツアー会社と組んで、国内の他店と競合せずに商売できるんだから儲かるわけです。
インバウンド消費で日本がホクホクといっても、中国資本の会社で中国人が爆買いしているわけですから、まさに中国の中国人による中国人のためのラオックスであります。一応上場会社ではありますが、現時点では半数以上を中国資本が占めているようですね。
もっとも日本人株主も多数いるわけですし、日本人の従業員も多く、国内法人として法人税も収めています。また、根本的に中国人が望むメイドインジャパンの製品を多く売っているわけで、日本経済への貢献が非常に大きいことは事実です。
しまったなあ、これだけインバウンド消費が増えるなら、それに備えておけばよかった
前回、スピード感を持たないとビジネスチャンスを逃すという話をしましたが、この訪日外国人の急激な増加を見ると失敗したなあと思うことがあります。
訪日外国人の増加で、東京などの都市部や京都などの観光都市などではホテルの供給が全く追い付いていないようです。政府が明らかに旅館業法違反のAirbnbを野放しにしているのは、需要に供給が追いついていないためでしょう。
私は旅行好きなこともあり、起業直後の10年前から密かに旅館業を夢見ていたのです。
同時に大家業にも興味があり競売情報なども色々と見ていたのですが、京都のぼろい町家が安く落札されていることに気がついていました。ぼろいので投資家は買わず、自分で住むために購入する人もいなかったのでしょう。
これを安く落札して古い風合いを残しつつリノベしたら、お洒落なお宿になるのではと考え、旅館業法など色々と調べていました。
旅館としてお客さんを迎えるには、建物の耐火性や消火設備など、一般の建物より色々厳しいことが求められます。色々調べた結果、今の自分には無理そうだな、不動産投資の経験を積んでから挑戦しようと、放置状態でした。
そうしているうちに、村上さんから町屋ブームがはじまってしまいました。それ以前に、町家を改装して宿にしている業者はかなり多いそうです。しまったなあ10年前に始めていればなあ。
というか、いろいろ調べている頃にブログを見ていた、マンションの一室を借りて、そこをゲストハウスにするという無謀なことをやっていた人も、順調に経営しているようでした。
いやあ、やられたわ。本当に一歩踏み出す勇気のない人、スピード感を持ってビジネスを進められない人は、成功のチャンスをみすみす逃してしまうだけです。
円安時代のビジネスの方向
これだけ日銀が(というか政府が)金融緩和を行っていて、戦略として円安方向に持って行っている以上、それで景気も一時的にかも知れませんが良くなっている以上、当分円安状態は続くでしょう。というか今までが極端な円高だっただけで今くらいが正常という気もしますが。円安を阻止するのはなかなか大変でしょうが、円安にするのは緩和緩和で円の価値を意図的に落とせばいいので楽なもんです。
円安となると、私の様に輸入品を販売するようなビジネスはイマイチで、むしろ輸出ビジネスに力を入れるべきでしょうね。
また、訪日外国人も益々増えるでしょうから、インバウンド消費を狙ったビジネスも当分熱そうです。少なくてもオリンピックまではこの流れは加速していくでしょうね。
オリンピック後の景気は、いよいよ本格的な人口減少社会の到来で、新たな成長産業もない中で、加速度的に崩壊しそうな気がしますが、むしろ旅行業にはプラスなんじゃないのという気がします。
日本の力が落ちれば、日銀が色々しなくても嫌でも円安になるわけで、ますます外国人観光客が増えそうです。
ギリシャとかもそうですが、デフォルトする度に通貨安で外国人観光客が押し寄せて復活しますからね。今はユーロ圏なのでその手も使えず悲惨なことになってますが・・・
少子化もそうですが、日本の産業の競争力が徐々に脅かされているなかで、日本の持っている観光インフラの力を考えれば、将来的には観光業が一番競争力を持った産業になるかもしれません。
というか、今まで製造業に力を入れすぎて、日本の持っている観光のパワーを全く活用してこなかったということでしょう。これは非常にもったいない。
円安や、海外の一部ナード層へのサブカルチャー文化の浸透、SNSなどを通じた消費者による日本の魅力の発信などにより、やっと日本の観光力が日の目を見るようになってきたといえます。
とにかく観光に限らず、これからもインバウンド消費は熱そうですね。オリンピック後に日本がどういう方向に向かっていくのかを見極めながら、新しいビジネスを考えたいものです。