出店しても1個も売れない!?楽天市場やYAHOOショッピングなどネットショッピングモール出店の集客効果と売上とは

ネットショップへの参入を考えている方、あるいは既に自社のネットショップを運営されていて新たにネットモールへの出店を考えている方、あるいはヤフオク転売ビジネスを成功させていてネットショップにも野望を抱いている皆様、突然ですが希望は捨てたほうがイイですよ。

出店に夢をふくらませているのに、いきなり何なんだこいつはと思われそうですが、本当にネットモールに出店しても、しただけでは何一つ売れないのです。一つ前の転売とネットショップの違いの記事でも少し触れましたが、本当に驚くほど売れないのです。

実店舗をお持ちで近年売上が落ちてきたからネットショップに活路を見出したい、自社のネットショップを運営しているけど集客力が弱いので大手のモールに出店して集客力に肖りたいと考えているなら、その期待はすぐに裏切られることになります。

詳しくは順を追って説明いたしますが、大手のネットショッピングモールに出店してもそれだけでは全く売れないのです。モール上でも広告費を投入したり労力をかけて集客を行わなければ、全く売上はあがらないのです。

本日は、自社独自のネットショップを立ち上げて10年、楽天市場やYAHOOショピングなどのネットのショッピングモールに出店して5年のワタクシが、大手ネットショッピングモールへの出店の理想と現実について語っていきたいと思います。

希望から絶望へ?楽天市場に出店しても全く売れない現実

まずはしばし自己語りから。私がネットショップに参入したのは今から10年ほど前のことです。

大学在学中からアフィリエイトに取り組んでいた私は、大学を卒業して就職した時点で月100万円以上のアフィリエイト収入がありました。金融機関に就職したものの、朝から晩まで毎日ピンポンする生活で「ツマンネ、こんな仕事自分には無理や・・・」と思っていたのと、その時点で月100万円以上のアフィリエイト収入が毎月入ってきていたので、入社から半年で会社をやめてしまいました。

その後半年ほど専業アフィリエイターとして活動して、私のアフィリエイト収入は最盛期を迎えたのですが、何を思ったのか「アフィリエイトって後何年保つのだろう?10年後にもあるのだろうか?後何十年もこれで食べていけるのだろうか?」と不安が募り、起業することにしたのです。今思えば、そのままアフィリエイターとして活動し続けたほうが良かったのですが・・・

起業といっても会社を半年でやめたヘタレが成功できるほど独立起業の世界は甘くはありません。リアルビジネスを立ち上げ成功に導くということは非常に困難なことなのです。

そこで結局始めたビジネスは、ヘタレにもまたネットに頼ったビジネス、すなわちネットショップによる小売業だったのです。何を売るかなと考えていた時に、たまたま自分がその時必要としていたものをネットで調べる機会があり、鬼のように詳しくなったので、これでも売ってみるかと参入したのです。独自ドメインを取ってショッピングカートまで開発を外注して自社ショップを立ち上げました。

目の付け所が良かったのか、PPC広告を使って宣伝をするとバンバン売れました。広告を使っての集客ですので利幅は少なかったのですが、数が売れていたのでそこそこは儲かっていました。むしろ仕入れのほうが苦戦していたくらいです。
(少し話がずれますが、ネットショップを始めたばかりの頃は、販売よりもむしろ仕入れが難しいのです。メーカーはなかなか実績もないネットショップには卸してくれません。この話は、話がずれてしまうのでまたの機会にお話します。)

まだ今ほどネットショップの競争が激しくない時期でしたので、PPC広告さえ出していれば割と簡単に売れました。その後、アフィリエイターとしての自分を活かして、自社ショップの商品を自分でアフィリエイトするという手法を思いつき、広告費無しで集客できるような体制になりショップはやっと軌道に乗るに至ります。

最近ではオウンドメディアによって集客するという方法が注目を集めていますが、私は10年近く前からこれを実践していたことになります。

自社の独自ドメインのネットショップが軌道に乗った私は、更なる高みを目指して、ついに大手ネットショッピングモール楽天市場への出店を決意したのです。

楽天市場に出店しませんかというメールや営業電話はバンバン来ていたのですが、自社ショップの集客で必死になっていて忙しかったのと、ロイヤリティを払うバカバカしさから、ネットモールへの出店は全く考えていませんでした。

しかし、自社の独自ショップが軌道に乗ったので、新たな挑戦として楽天市場出店を決めたのです。正直自社ショップはやり尽くした感があったので、これ以上の成長には大手モールへの出店が必要だと思い、最大手である楽天市場に参入したのです。

初期費用が15万くらい掛かって、月5万円くらいの月額出店料が3ヶ月分、その他諸々合わせて結構な額を初期費用として支払いました。しかも、これからは毎月月額利用料5万円くらいと、売上にかかる5パーセント弱のロイヤリティ、楽天ポイントのポイント原資、アフィリエイト経由で売れた際のアフィリエイト報酬、そしてその報酬にかかる3割の楽天への手数料やカード決済手数料などを支払う必要があるのです。

高いなあと思いましたが、それでも楽天の集客力でバンバン売れるなら、数で利益を上げるぞと希望に満ちていました。いや本当に、これで売上倍増や!くらい思っていました。

出店審査が終わると、楽天大学というEラーニングを受けることになります。動画で楽天のシステムRMSを使ったショップの制作方法やネットショップ運営のためのイロハを習うことになります。私には容易いことでしたが、ネットショップ初めての人は大変かもしれませんね。

しかし、この楽天大学の出店講座からして既に楽天市場内に広告を出すことが前提になっているような運営ノウハウで、ありゃ?とは思っていました。高い固定費と売り上げに応じたロイヤリティを払うのに、なんで広告まで出さないといけないんだろうと疑問でしたが、開店と同時にこの答えは明らかになりました。

ショップが出来上がると開店前の最後の審査があり、合格するといよいよ開店となります。いやあ、開店の日は興奮していましたね。これで売上倍増や!大金持ちや!と思っていましたからね。その時までは・・・

が、開店から1時間経っても2時間経っても、一向に売上のメールが来ないわけです。おかしいなあと思って、楽天のシステムRMSにもログインするのですが、一向に売上が表示されない。

何かの間違いかと思っていましたが、1日経っても、1週間たっても全く何1つとして売れません。おかしいなあと思ってネットで色々調べると、出るわ出るわ、ちっとも売れないという出店者の阿鼻叫喚が。

私は勘違いしていました、大手ネットモールに出店するということの意味を。モールに出店すれば、その莫大な集客力でお客さんがどんどん来るものだと思い込んでいました。しかし、巨大な集客力を保つモールには数万のショップが出店しているのです。お客さんが多いならライバルもまた多いのです。

モールに出店してもライバルとの競争に勝ち抜かなければ、全くお客さんは来ないのです。楽天には商品を検索する検索窓がありますが、あれはgoogleとはまた違う楽天独自のアルゴリズムで掲載順位が決まります。モールの外の世界と同じで、上位表示されなければお客さんは全く来てくれないのです。

面白いことに、googleと同じように順位の上位は広告枠で占められています。つまり新参者の雑魚が楽天市場内で広告を出さないと全く売れないわけです。高いロイヤリティを払うにもかかわらず、モールの外の世界と同じで広告を出さないと全く売れないという恐怖のシステムなのです。

私の希望はいとも容易く崩れ、絶望に変わりました。その後は考えを改め、アフィリエイトを活用して自分で集客するなど、色々工夫して楽天市場でもそれなりに売れるようになり、今でも出店していますが、そのあたりのことは別の機会にお話しましょう。

YAHOOショッピングに出店してもやっぱり売れなかった

楽天市場で大手ネットモールの現実を思い知った私は、YAHOOショッピングから出店のお誘いが来ても完全無視していました。

どうせ自力で集客するか広告を買わなければいけないなら、独自ドメインの自社ショップと変わらないじゃないか、ロイヤリティを支払うなんて馬鹿らしいと思っていたからです。

しかし、2013年秋、衝撃的なニュースが飛び込んできました。ヤフージャパンの親会社ソフトバンクの孫正義社長が、eコマース革命を掲げてヤフーショッピングの出店初期費用および月額出店料、および売上にかかるロイヤリティを完全に廃止すると宣言したのです。

楽天市場との競争に完全に破れ、アマゾンがマーケットプレイスという出品機能を設けて猛追する中、YAHOOショッピングが起死回生の一手を打ったのです。このままでは消滅するだけなので、いっそロイヤリティは諦めて、収益は決済手数料と広告に頼るという方針に大転換したのです。

これは大革命でした。購入すると付与されるTポイントの原資、アフィリエイト経由の購入の場合のアフィリエイト報酬の原資、アフィリエイト利用手数料(アフィリエイト報酬の3割)、決済手数料はかかりますが、初期費用、月額固定費、ロイヤリティは一切かかりません。Tポイントとアフィリエイトの原資が2%程度かかりますが、このくらいなら大して痛くありません。その分決済手数料が安めなので、悪い話ではありません。

この話が出て直ぐに、私はYAHOOショッピングへの出店を決意したのです。というか、自社ショップを閉めて完全にYAHOOショッピングに移行することにしました。

Tポイント原資とアフィリエイト報酬原資など2.3パーセントがかかるものの、クレジットカード手数料がその時使っていたレンタルショッピングカートよりも安く、売上の全てがアフィリエイト経由の売上ということではなく、レンタルカート代がかからなくなることを考えれば、トントン近くなるのではないかと考えたのです。

ということで2014年はじめ頃にヤフーショッピングに出店、というか自社ショップからの完全移行を果たしたのです。楽天市場でモールに出店してもそれだけでは全然売れないことは理解していましたので、出店というよりレンタルショッピングカートを移るという感覚でした。

出店してから、元々自社ショップで使っていたレンタルカートの期限が切れるまでの間は、自社ショップメインで営業していたため、YAHOOショピングの方は案の定全く売れませんでした。楽天市場の時と同様、本当に笑ってしまうくらい見事に1個も売れません。

レンタルショッピングカートの期限が来て、自社ショップを閉鎖して完全移行するにあたり、アフィリエイターとしての私が運営していた集客サイトからのリンクをYAHOOショッピングのサイトに向けると、当然のように売上が発生しました。当然です、いままで自社ショップであがっていた売上が、そのままYAHOOショッピング店に移ってきただけのな話です。

ところが、その後、ちょっと予想していないことが起こったのです。しばらくすると、自社ショップの時と比べて明らかに売上が増えていることに気づいたのです。売上は1.3倍近くになっていました。

アクセス解析機能を見てみると、自分の集客アフィサイトから誘導されてきた購入者が圧倒的でしたが、ポツポツとヤフー検索やヤフーショッピングの検索や知恵袋などヤフーから集客されてきた購入者が増えてきていたのです。

今日はモールの集客方法についての話ではないので詳しくはまたの機会に話しますが、楽天やヤフーショッピングの検索のアルゴリズムは、売れている商品や評価が高い多い商品を非常に重視します。

つまり、自分の集客用アフィサイトから大量のアクセスを送り込んで大量に販売した結果、YAHOOショッピングの検索評価が高まって、検索からお客さんが来てくれるようになっていたのです。また、YAHOOショッピング検索で上位の商品は、YAHOO検索の検索結果の4番目辺りにも画像付きで表示されます。これも地味にデカイです。

モール自体からの集客には全く期待していませんでしたが、結果的に売上が上がり大成功でした。

大手ネットモールの現実と正しい使い方

YAHOOショッピング自体の集客力により売上があがったのは予想外でしたが、非常に大きな喜びでした。なんだモール売れるじゃん、と見直しました。

当然ながらYAHOOショッピングが売れて楽天市場が売れないということではありません。集客力と販売力なら今でも楽天のほうが遥かに上でしょう。そうではなくて、単純に私が楽天市場を使いこなせていなかっただけだったのです。

楽天市場もYAHOOショッピングのショッピングサーチも同じですが、評価が高く多い商品を非常に評価します。また今売れている商品の評価も非常に高くなります。

逆に考えれば、売れていない商品は評価も入りませんので、モール内検索で全く上位に表示されません。その為よけいに売れず、売れないから評価がたまらない、故にまた売れないという、負のスパイラルに入ります。

この流れを断ちきるのが広告であり、モール内で広告を打つと売上が発生し、評価が貯まりモール内検索で上位表示ができ、また売上が上がるという良い方向のスパイラルが起こるのです。

しかし、新規出店者の多くが、この状態に至る前に、広告負担に耐えられなかったり、モール内でも広告が必要だというモールの現実に絶望してやめてしまうのです。

確かに広告負担は馬鹿になりなりませんし、楽天ではさらにロイヤリティもかかります。価格競争も激しい中、利益はあまり取れないのが現実です。しかし、利益を削って広告を打てば、少なくても売上だけは上がる正のスパイラルに入ることができます。

とにかく売上を伸ばしたいと考えているなら、あるいは自社製造の製品で粗利益率が高い商品であれば、広告を活用して売上拡大の正のスパイラルに入ることが出来るのです。この正のスパイラルこそがモールの正しい活用法です。

逆に、粗利益率の低い商品を扱っている小売業ではなかなか利益を上げることができないのもまたネットショッピングモールなのです。したがって、十分に粗利が取れる商材を持っていない場合は、モールに出店しても苦戦することになるでしょう。

私の場合は、モール内の広告を出さなくても、外部からアクセスを持ってこれるので売上が出ます。そのためモール内検索でも上位表示されて、モール由来の売り上げが出るというかたちになります。

すなわち私にとってモールとは、5売れるだけのアクセス数を流し込むと7売れる売上増幅装置のようなものです。楽天に外部から売上を送るとロイヤリティを取られるので馬鹿らしくてやっていませんが、もしかしたらすごい可能性を秘めている可能性がありますので、そのうち大火傷覚悟で実験してみたいと思います。その時はまたブログで結果をご報告しますね。

ということで今日は、モールに出店しても、出店しただけでは全く売れないよ、広告を打てばかなり売れるけど利益が減るから粗利が出る商品じゃないときついよというお話でした。モールに夢を見ている人は自分が通用するかよく考えてから出店してくださいね。

まあヤフーショッピングなら出店するだけならタダだから、とりあえず出店してみるのも悪く無いかな。

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1 Responses to “出店しても1個も売れない!?楽天市場やYAHOOショッピングなどネットショッピングモール出店の集客効果と売上とは”

  1. 橋本真子 より:

    こんばんは。
    今年の夏にベースというサイトに出店してみたのですが、全く売れずでした。楽天への出店の検討しているのですが、お手伝い頂けないでしょうか。
    もちろん費用はお支払いします。
    ご検討の程よろしくお願いします。

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