コンテンツマーケティング戦略におけるオウンドメディアとは何か?成功事例も解説します

突然ではありますが、そして今更ではありますが、本日の記事ではオウンドメディアについて少しご説明いたします。

一つ前のネットモールの理想と現実の記事で、モールの外からアクセスと見込み客を呼び込んでくる手法の話をしまして、本日はその辺りをもう少し掘り下げようと思いましたが、その前にオウンドメディアについて解説しておいたほうが良いと判断いたしました。

オウンドメディアという言葉は何も最近言われるようになったわけではないので、もう知っている方も多いと思いますが、知らない方もいらっしゃるかもしれないので、念のため解説しておきたいと思います。オウンドメディアを使ってモール内のショップに集客する手法については次の記事で書きたいと思います。

オウンドメディアとは

オウンドメディアは、英語表記なら「OwnedMedia」となります。ownは所有するという動詞ですので、オウンドメディアは所有するメディアという意味になります。オウンドメディアとは、自分が、自社が所有するメディアのことなのです。

自社が所有するメディアと一口にいってもウェブから紙媒体まで様々なものがありますが、今マーケティングの世界で盛んに口にされる意味でのオウンドメディアとは、ウェブの世界のことです。自社サイトやブログのような自社で所有・管理している自己メディアのことです。

会社のfacebookやツイッターアカウントは自社で管理していますが、自社で所有している訳ではありませんので、外部のメディアということになります。
オウンドメディアは自社ドメインで運用する自社所有のメディアです。

トリプルメディア戦略とは

そもそもオウンドメディアという概念が登場したのは、2009年頃提唱されたトリプルメディアという概念の中です。
トリプルメディアとは、ペイドメディア(PaidMedia)アーンドメディア(EarnedMedia)オウンドメディア(OwnedMedia)の3形態のメディアのことです。

従来、企業が集客とマーケティングを考える時には、ペイドメディアが主流でした。ペイドメディアとは、その名の通り広告費を支払って掲載してもらうメディアのことです。テレビ・新聞・雑誌・ラジオのマスメディア4媒体とYAHOOなどのネットメディアに広告を掲載する従来のマーケティング手法です。

お金がある大企業には適した戦略ですが、広告費をかけられない中小企業には難しいマーケティング戦略です。また、大企業がマス広告にお金をかけても、昔のように劇的な効果を上げにくくなってきていることも確かです。

こうした中で新しいマーケティングの動きが出てきて、フェースブックやツイッターなどのSNSで企業が活動して、見込み客や潜在顧客(ファン)を獲得するような手法が流行し出しました。これがアーンドメディアです。

earnつまりは得るということですね。SNSなどでの情報発信活動を通じて、見込み客や潜在顧客からの信頼を得ることが出来るのです。こうして獲得した見込み客は、お金を出して広告から獲得した見込み客よりも自社に信頼を寄せてくれる良質なファンです。

アーンドメディアを通じた集客はお金がかからない(広告費をかけて集客を加速することも可能)手法ですので、広告費をかけられない中小企業はもちろん、大企業も従来型の広告と合わせて活用しています。

お金もかからず質の高い見込み客を獲得できるアーンドメディアですが一点弱点があります。それは、SNSで「いいね」をいくら獲得したところでSNSが無くなってしまえばパーだということです。またSNS上のコンテンツは次から次へと流れていってしまい、蓄積されていきません。厳密には蓄積されていきますが、昔のコンテンツにアクセスしてもらえる可能性は極めて低いのです。

そこで登場するのがオウンドメディアです。自社所有自社管理のメディアなので絶対の永続性があります。また、アップした記事はコンテンツとして蓄積していき、検索エンジンを通じて未来永劫ご新規さんがやって来る間口になるのです。コンテンツをアップすればアップするほど資産としてストックされていき、集客の間口は拡大する一方です。

以上がトリプルメディアと呼ばれるものですがいかがだったでしょうか?こうして考えるとオウンドメディアが優れているように感じますが、どれが優れているという話ではなく、費用対効果を考えて3つのメディアを組み合わせて活用していく必要があるのです。それこそがトリプルメディア戦略なのです。

オウンドメディアのメリット・デメリット

さて、話は戻ります。今日はトリプルメディア戦略ではなくオウンドメディアの話です。

オウンドメディアがどういったものかはお分かりいただけたかと思います。つまりは自社サイト内に作った自社製品に関連する豆知識コーナーや、社員さんが書く自社ドメインで運用するブログなど、自社で所有コントロールできるウェブ媒体のことをオウンドメディアと呼ぶわけです。

そのメリットは、既に述べましたが、①自社所有ドメインでの運用なので、外部サービスのように消滅する恐れがない、自社の資産になる。②SNSのようにコンテンツが次から次へと流れていくこと無く、しっかり蓄積していき資産となるということになります。③ペイドメディアのように広告費を支払う必要が無いというのも大きなメリットでしょうか。

つまりは、広告費をかけること無く集客の間口を広げることができ、かつSNSのようなアーンドメディアのように外部が管理する不安定なものではないという、最強のコンテンツマーケティングツールということになります。

前述の通り、どれが優れているということではなくトリプルメディアを組み合わせて活用していくべきですが、お金もかからず資産がストックしていくオウンドメディアは真っ先に取り組むべきマーケティング戦略でしょう。

特に広告戦略にお金をかけられない中小企業こそ積極的に活用すべきマーケティング手法です。もちろんネットショップは言わずもがなです。

逆にデメリットを考えてみましたが特に見当たりませんでした。あえていえば、お金はかからないものの人手はかかるという点でしょうか。まあ人件費がかかるのでお金がかかるともいえます。

コンテンツ作成というのは時間がかかり非常に大変なものなのです。下手なクオリティのものをアップすれば逆に企業イメージを損ねてしまう可能性もありますので、崇高を重ねて質の高いコンテンツをアップする必要があります。

成功事例と正しい活用方法

まあ、オウンドメディアだ何だとマーケティングっぽく格好良く言っていますが、何の話はないブロガーのブログ飯目的のブログと何ら変わらないのです。ひたすらコンテンツを貯めていくことで、検索エンジンからの流入の間口を広げて、広告費をかけること無く集客力をアップしようということなのです。

もちろん専門家ならではの濃いコンテンツを提供することで、見込み客や潜在顧客の信頼を勝ち取る効果もありますが、知名度も集客力もない中小企業にとっては何といっても集客アップの意味が大きいと思います。

活用事例は大企業ならいくらでもありまして、食品メーカーが自社製品を使ったアレンジレシピのコンテンツを提供していたり、自動車メーカーが自社の歴史や往年の名車のコーナーやレース活動のコンテンツを提供していたりと、各社様々なコンテンツを自社サイトで展開しています。

こういった大企業はともかくとして、このブログを見ているのはもっと小さい会社の経営者様やネットショップ経営者様でしょうから、もう少し小さなベンチャーの活用例を見ていきましょう。本当は私のネットショップの事例で解説するのが一番分かりやすくて一番参考になるのでしょうけど、ちょっとオープンな場所で公開する勇気が無いです。そのうちクローズドのコミュニティやセミナー等では解説するかもしれません。

今回ご紹介する事例は、不動産仲介のベンチャー企業であるiettyです。この会社はイエマミレというオウンドメディアを運用しているのです。なんで発見したかというと私のグルメブログのメシウマブログの写真が転載されていたからです。

最初は、他サイトから文章を引用したり写真を転載したりして、まとめコンテンツを作るキュレーションサイトかと思ったのです。リクルートなんかのキュレーションサイトにも度々メシウマブログの写真を転載されているので。

まあこのサイトも一種のキュレーションサイトなのですが、キュレーションサイトの収益源である広告の掲載がありません。何事かと思いましたが、要は全ては自社のサイトであるiettyへの誘導を目的とした、検索エンジンからの間口としてのコンテンツ群だったのです。

このような記事は代表的な記事で、美登利寿司という人気の寿司屋の情報記事かと思いきや、様々な駅とリンクされていてお部屋探しのiettyに誘導できるような作りになっています。その他にも賢い賃貸の借り方の知識など、見込み客や潜在顧客が喜ぶ記事をたくさんストックしています。

こうしたコンテンツのストックが検索エンジンからの流入量を増やし、かつ役立つコンテンツを提供することで、まるで知名度のないiettyというサービスに安心感と信頼性を付与しているのです。

不動産業界というのは平気で顧客を騙す世界です。まるでどんな会社か分からない駅前の不動産屋と、日頃から情報発信をしていて親近感があるオンライン仲介会社のどちらが信頼できますか?

自社所有のオウンドメディアで情報発信を行っていくというのはこういうことなのです。お金をかけずに集客の間口を広げ、かつ見込み客の信頼を獲得する、どんなに小さな会社でも予算をかけずにこれらが行えるのがオウンドメディアによるコンテンツマーケティングなのです。

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