運送業界の人手不足で運賃値上げラッシュ?ネットショップは高単価で小さく軽い商材を選べ

昨年末の佐川急便のパンクから始まり、ここ最近のヤマト運輸の騒動までの一連の流れで、日本の運送業界の非常に厳しい現状が世の中にも知られるようになってきました。

宅配大手の佐川急便で、年末の荷物量増加に伴い、東京や埼玉、愛知、大阪など7都府県で配達に遅れが出ている。クリスマス関連イベントの荷物や歳暮などの配達を待つ利用者たちから、困惑の声が上がっている。
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インターネット通販の普及で宅配便の取扱量が急増し、宅配便最大手のヤマト運輸が荷物の引き受けや配達時間の見直しに乗り出した。ドライバーも足りず、荷物を配達しきれなくなっているためだ。ネットで注文し、時間を指定して商品を受け取るという日本で進化を続けた宅配サービスが転機を迎えている。
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クリスマスからお歳暮に至る年末年始の運送の混乱はここ数年毎年の風物詩になりつつありましたが、昨年末は特にひどかったようで、佐川急便の遅配で私のショップも大きな影響を受けました。

激務の割に薄給の運送業界に人が集まりにくくなっているという話は、何もここ1,2年の話ではありません。長年だましだまし来ていた所に、アベノミクス以降の景気回復で人手不足に加速がかかり、キツイ業界に人が集まらなくなってしまったのでしょう。

給料を上げようにも、そもそも薄利で人件費の割合の高い業界ですので、なかなか給料を上げるのが難しいのも分かります。今や宅配便業界の荷物の多くをネット通販の荷物が占めますが、ネット通販では送料無料がもはや常識になってしまっているので、ショップ側も少しでも安い運賃契約をしなければいけません。

そもそも、次元の違うほど圧倒的な最大手のアマゾンが日本で一番安い運賃契約をしているのですから、その時点で零細のネットショップは差をつけられてしまっているわけです。少しでも運賃差が縮まるように頑張って運賃交渉しないと、運賃差だけで勝敗が決まっしてしまいかねません。

ヤマト運輸は数年前まで佐川急便と契約していましたが、あまりの契約運賃の安さに佐川急便から契約を解除されてしまいます。

もともと安さを武器にシェアを拡大してきた佐川急便は、アマゾンを取り扱うようになった時点で、それまで業界の巨人であったヤマト運輸とシェアでほぼ肩を並べるレベルまでになりました。ただ、そのあたりを境に適正な利益を追求するという方向に舵を切り、アマゾンを切ったのと同時に一般の事業所でも新規の取引の場合は昔の様な激安運賃では契約しなくなっているようです。

私のショップでも始めた2006年の時点で、近県ですと60サイズ300円、100サイズ400円、140サイズ600円、160サイズ800円でした。今は小さいサイズは随分値上げになってしまいましたが、今思えば300円で成り立つわけがありません。そもそも配達店から最終的に家庭へ配達する外部業者の傭車に1個あたり150円程度支払っているわけですから、300円で請け負ったら利益など出ないでしょう。赤字かもしれません。

それもアマゾンの場合はサイズ距離関係なく200円台の運賃で運送させていたというのですから信じられません。にわかには信じられませんでしたが200円を割っていたなんていう根拠不明のうわさまでありました。

ただ、佐川から切られてからは、ヤマトとある程度は上げられた運賃で契約せざるをえなかったようで、無条件で送料無料から一定以上の購入で送料無料にサービスを変更しています。

一昨年アマゾンの社員を退職される方と話していた時に、アマゾンの運賃契約の話が出ましたが、かつての佐川との契約運賃から考えるとそんなに払っているんだという印象を受ける金額になっていました。もちろん安いのですが、あれだけの個数を出す巨人でも、そのくらいの契約運賃が限界なんだなと思いました。

それでも、今回の人手不足の問題が出るくらいなのです。昨日、ヤマト運輸がここ2年の未払残業代をすべて支払うというニュースが出て、ドライバーの負担を減らすために時間帯配達サービスを見直すというニュースもありました。

運送各社が社員の待遇改善を本格的に始めると、今の運賃では成り立たなくなります。そうなってくると、各社契約運賃の見直しをネットショップに迫ってくることになります。

ある程度のクオリティで家庭まで荷物を届けられる運送会社は、ヤマト運輸、佐川急便、ゆうパックの3社だけですので、ある程度寡占化が進んだ業界であることも相まって、高い契約見直しを迫られて即他社に乗り換えというのも難しくなるでしょう。

残念ながら、取扱個数の少ない小さなネットショップにとっては送料負担が大きくなるのは避けられそうもありません。

売上に占める送料の割合を下げることが重要

もはや送料が上がっていく未来が想像できる以上、我々弱小ネットショップはそれに対応できる骨太なショップ作りを心がけていかなくてはいけません。

といっても運賃はショップ側がなんとかできることではありません。1日1000個単位の荷物を出すなどの大きなショップならある程度は運賃交渉できるのでしょうが、世の中の殆どの小さなネットショップは1日に100個も荷物を出さないのが現実です。世の中のイメージに反して、殆どのショップは家族経営的なパパママショップだと言われています。

あるいは、発送代行会社やアマゾンFBAなどに頼るという手もあります。この手の物流ロジスティクスの代行会社は、まとまった数の荷物を取り扱うので価格交渉力があり、場合によっては発送を全て委託してしまったほうが安く付く場合もあります。

ただ、いずれにしても物流コストそのものが上がっていくので、長期的に見れば運賃の値上がりは避けられません。対策はもっと根本的なところから始めるべきでしょう。

そもそも、あなたが平均客単価が30万円のブランドバッグ専門のネットショップを運営していたとしましょう。今まで平均500円で送れていたものが、劇的な運賃の値上げで1000円になってしまったとして致命的な問題でしょうか?粗利が1つあたり1割だったとしても3万円の粗利が出ますので、余裕があります。

一方、客単価3000円の中国製のノーブランドバッグのお店を運営していたとしましょう。仕入れ単価が安いので粗利が50%出るとしても、粗利1500円ですよ。500円の運賃から1000円の運賃になってしまったら、最終利益はなくなってしまうかもしれません。

このように売上や粗利に占める送料の割合が高いと、運賃の値上げで四苦八苦することになりかねません。売るものに対する送料の割合を下げるために、粗利が取れる商材を売るということが大切です。

軽くて小さくて高付加価値の商材を取り扱う

昔からネットショップの経営の基本は、小型軽量・壊れない・粗利が取れるという3つの特徴を兼ね備えた商材が良いとされています。

今回は壊れないという特徴は置いておくとして、小型軽量で粗利が取れるということが極めて重要であるということは前述のとおりです。

小型軽量であれば当然運賃を抑えることが出来ますし、ついでに保管コストも下げることが出来ます。小型軽量で粗利も大きいブランド品などは最高の商材です。※型番商品になるので価格競争に巻き込まれて粗利が取れない場合もある。

逆に大きくて粗利を取れない商品は悲惨なことになります。例えば中国製のノーブランドの家具なんかは大変なもので、送料は160サイズか、場合によってはそれを超える特別サイズの運賃を負担することになります。

それでも高付加価値でたっぷり粗利を乗せられるオリジナルブランドを確立していればなんとかなりますが、何の特徴もないノーブランド品ともなれば猛烈な価格競争に巻き込まれて、サイズの割にビックリするくらい少ない粗利しか取れないことになります。3万円のソファーを売って、送料が3000円かかって、粗利が1000円などという悲惨なことにもなりかねません。

できるだけ小さくて、それでいて1個送るごとにしっかりと粗利が取れる商材を取り扱うように努めましょう。そうでないと、運賃の部分でアマゾンなどの大手のECサイトに差をつけられて、それだけで競争に敗れてしまうようになります。

小さなネットショップが勝ち残っていくためには、型番商品ではない価格競争に巻き込まれないオリジナル商品を、トリプルメディア戦略でブランディングして販売していくしか無いのです。そうすれば粗利がしっかり取れる骨太のショップにしていくことが出来ます。ついでに商材が小型軽量であれば言うことなしですね。

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1 Responses to “運送業界の人手不足で運賃値上げラッシュ?ネットショップは高単価で小さく軽い商材を選べ”

  1. 山本猪太郎 より:

    人手不足で賃上げって、とても良いニュースですね。もっともっと人手不足になって賃金が上がってほしいです。

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