通販やネットショップ経営で成功したいなら粗利益率と単価の高い商品を取り扱うのが重要

昨日の記事では、ヤフーショピングが実質的にロイヤリティ復活で激改悪であることを話題にしましたが、クレジットカードカード決済手数料を入れて売上の6%程度を持っていかれるのはキツイです。

商品単価と商品サイズ(とそれに伴う送料)によって異なってくると思いますが、私のショップのメイン商材の場合、送料を入れると売上金額の10%強を持っていかれてしまうことになります。

私のメイン商材の仕入れ値は定価から掛け率50%で、販売価格は定価の20%OFFにしていますので、粗利は売上の30%ということになります。ここから10%強を持っていかれるのですから、純粋な利益は20パーセントを切ることになります。

私のショプは家族経営で、倉庫も自社所有物件ですので目に見える人件費や家賃などは発生していませんが、こういったものまで厳密に計算に入れると最終的に売値の1割程度しか利益が出ていないことになります。

今のところ型番商品がメイン商材になっているため、20%引きでの販売を強いられているのが厳しい状況の主要因ですが、それにしてもモールのロイヤリティも手痛い負担です。

楽天市場やヤフーショッピングといった大手ネットショッピングモールは価格競争も激しいので、型番商品を売っているとただでさえ粗利が取れないのに、これに加えて高いロイヤリティを支払わなければいけませんので、本当に利益率が低く嫌になります。

こんな商売をやっていては、ネットショップ経営で成功するなど夢のまた夢です。ネット小売で一旗揚げると意気込んで会社を辞めて独立起業したものの、理想と現実の違いに鬱になっているネットショップ経営者も多いのではないでしょうか。

ヤフーショッピングのロイヤリティ値上げは始まったばかりです。これで終わるとは思えません。yahooショッピングが勢いを取り戻し流通額がさらに上がれば、約束を反故にしてまだまだロイヤリティを上げてくるでしょう。

私達ネットショップ経営側も、ロイヤリティ値上げや新規出店者増加による競争の激化を念頭に入れ、今一度勝てるネットショップ経営について考えていく必要があります。

粗利益率の高い商材を取り扱うことが重要

ネットショップはもちろんのこと、リアルビジネスにおいても、商売において最も大切なことは粗利がとれる商売を行うことです。どれだけ数が捌ける商品であっても、どれだけ販売単価が高い商品であっても、どれだけオペレーションが楽な商売であっても、粗利が少ないことには話しになりません。

粗利をとるためには、粗利益率の高い商材を取り扱うことが重要です。

例えば、粗利益率20%の売値10000円の商品Aを取り扱うことを考えます。売上10000円の内の商品原価が8000円ですので2000円の粗利益が出ます。
ここからヤフーショッピングに6%のロイヤリティで600円を支払い、送料400円を支払うと、1000円が残ります。人件費や家賃や光熱費などを考えるとほとんど利益は残りません。

一方、粗利益率50%の売値10000円の商品Bを取り扱うとどうでしょうか。売上10000円の内の商品原価が5000円ですので5000円の粗利益が出ます。
ここからヤフーショッピングに6%のロイヤリティで600円を支払い、送料400円を支払うと、4000円が残ります。人件費や家賃や光熱費を考えても十分に利益が残ります。

このように同じような商品単価の商材でも、粗利益率が高いか低いかで最終的に残る利益には大きな違いが出ます。

楽天のコンサルタントの話では、世の中には粗利益率20%程度でヒーヒー言っているショップが結構あるそうです。モールで価格競争になると売価自体を下げざるを得ませんので粗利益率が下がってしまいます。ヘタに価格競争に付き合い値下げ合戦になると、粗利益率が下がり途端に苦しくなるのです。

一般的に考えて粗利益率が20パーセントを割るようなら売らないほうがマシなレベルでしょう。できれば粗利益率50%以上ある商材を販売するのが理想ではあります。

単価が高い商材を取り扱うことが重要

上の例では粗利益率が20%でも商品単価が10000円あるからまだマシな方です。これが単価3000円ともなれば悲惨なことになります。

例えば、粗利益率20%の売値3000円の商品Cを取り扱うことを考えます。売上3000円の内の商品原価が2400円ですので600円の粗利益が出ます。
ここからヤフーショッピングに6%のロイヤリティで180円を支払い、送料400円を支払うと、20円が残ります。人件費や家賃や光熱費などを考えると完全に赤字です。

また、粗利益率50%の売値3000円の商品Dを取り扱うことを考えます。売上3000円の内の商品原価が1500円ですので1500円の粗利益が出ます。
ここからヤフーショッピングに6%のロイヤリティで180円を支払い、送料400円を支払うと、920円が残ります。人件費や家賃や光熱費を考えると利益はほとんど残りません。

いかがでしょうか、商品単価が低いとさらに悲惨な事になります。粗利益率20%の商品Cでは商売にならないのはもちろんのこと、粗利益率50%の比較的優良な商品Dですら利益は非常に少なくなってしまいます。

このように商品単価(厳密には客単価)は、ある程度高い必要があります。できれば客単価1万円以上が理想です。客単価3000円以下の商売ならやらないほうがマシでしょう。

たまに客単価1000円程度のスマホケースなどを売っている人がいますが、ああいった物は中国の工場から1点100円を切る価格で仕入れて大量に売りさばくので成り立っているのです。単価の低さを圧倒的な粗利益率と爆発的な販売数で補っているのです。それでもあまり大きな利益にはならないと思いますよ。

粗利を増やす為にやるべきこと

これまで見てきたとおり、十分な粗利をあげるためには、粗利益率が高く単価の高い商品を取り扱う事が重要です。

まずは単純になるべく高い商材をメインに据えて商品構成を考えていきましょう。なるべくなら100円200円の文房具ではなく、1万円2万円のバッグを扱いたいものです。

そして粗利益率を保つように心がけること。定価に対して仕入れ値の掛率が低い商材を選ぶことはもちろん、価格競争に巻き込まれて売価を定価よりも大幅に下げるようなことのないようにする必要があります。

ただ、型番商品を販売している限り、ネットにおいては価格競争に巻き込まれないというのは難しいことです。であるからこそ、ショップオリジナルの商品を開発したり、OEM生産を委託したりして、価格競争とは無縁の世界を目指す必要があるのです。

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価格競争になるような商売をやっていては粗利益率は下がる一方です。再度繰り返しになりますが、粗利益率が20パーセントを切るような非効率な商材は取り扱うべきではありません。

オリジナル商品を確保して自社でブランディングして売るか、販売するのが型番商品であってもショップ自体をブランディングして価格以外の訴求点で選んでもらえるようにするなど、安易に価格競争に走らないようなショップ経営戦略が必要です。

それには何といってもブランディングです。オウンドメディアとアーンドメディアを使ったコンテンツマーケティングで、潜在顧客や見込み客の信頼を勝ち取り、価格以外のポイントで選んでもらえるような骨太の競争力を持ったショップを目指す必要があります。

本日はオウンドメディアを活用した、実際のネットショップ経営の戦略について考えていきたいと思います。 以前の記事で、ネットショップでは型番商品を販売する小売店は価格競争に巻き込まれて利益が出せないこと、大手モールに出店しても出店するだけでは全く売れないことなどを述べて
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簡単に売上が上がる安売りに走って粗利益を無視した商売をしている限り、未来はありません。重視すべきは売上ではなく利益です。粗利益率と単価に注意して、粗利がガッポリとれる商売を目指しましょう。

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